借金返済の悩み 個人民事再生手続き

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■個人民事再生手続き


借金は住宅ローンを除き最大80%カット、総額の5分の1に減額できる。

利息制限法引き直し元金以下に大幅な減額が可能

公私の資格制限がない

自己破産のように免責不許可事由がない(借金を作った理由は問わない)

住宅・保険・自家用車(ローン残債なし)を残すことができる


 住宅ローンやその他の借金を抱えた個人の方を、破産状態に陥る前に経済的救済をするための裁判手続です。利息制限法による引き直し計算での債務額を基に、裁判手続により決定した金額を3年間の分割払いで完済することを条件とし、減額された債務は免除されます。そして、自己破産とは違い、住宅や保険等の財産を手放ずに手続が可能で、従来どおりの生活ができます。民事再生手続には、借金減額(再生計画)を認めてもらうために、債権者の決議を経る必要がある小規模個人再生と、その決議を経る必要のない給与所得者等再生の2種類の制度があります。

どのような人に向いているか

 収入が継続または安定していて決定後の返済が無理なく行える・・・が絶対条件です。

・住宅ローンを除く借金が5000万円以下
・住宅や保険等の財産を手放したくない
・弁護士や司法書士等の公的資格を職業にしている、また、保険外交員や警備員を職業にしている
・借入れ原因にギャンブル、浪費等があり、免責が受けにくい
・少しでも返済したい(破産はしたくない)。しかし、任意整理では無理。

小規模個人と給与所得者再生

 個人民事再生手続はまず、個人であること。そして、「再生手続き開始要件」と「再生計画認可要件」をクリアしなければいけません。

再生手続き開始要件・・・将来において継続的または反復して収入を得る見込みがあること。住宅ローンを除く債務総額が5000万円以下であること。
再生計画認可要件・・・・・再生計画による返済額がAを上回り、@以上であること。

以上を満たすことができれば個人民事再生手続を利用することは可能です。
そして、個人民事再生手続は小規模個人再生と給与所得者等再生に分かれます。
二つの手続の違いは以下の表のとおりです。

小規模個人再生 給与所得者等再生
収入状況 将来継続的または反復して収入が得られる見込みがある 給与などの定期的な収入を得る見込みがあり、その変動が小さい人(変動幅が年収で20%以下が目安)
債務額 住宅ローンを除く借金が5000万円以下である
対象者 個人事業主・サラリーマン・公務員・契約社員・年金生活者・アルバイト・パート 原則 サラリーマン・公務員・年金生活者
再生計画
(返済額)
@最低弁済額A清算価値のうち多い額 @最低弁済額A清算価値B2年分の可処分所得のうち最も多い額
返済方法 原則3年(最長5年となっていますが特別の理由がない限り認められない)の分割払い
債権者の決議 再生計画に対し債権者の反対票が1/2未満、かつ、総債権額の1/2未満の場合、承認される 必要なし
破産免責
との関係
過去に破産・免責を受けていても申立可能 過去に破産・免責を受けていた場合は、7年間申立はできない

どちらを選択するか
 給与所得者等再生が利用できるのは、給与などの定期的な収入を得る見込みがあり、その変動が小さい人に限られます。このため、継続的な収入が見込めても変動幅が大きい人は利用できません。
(契約社員やアルバイトの方でも、正社員と同様に安定して収入を得ている方は、給与所得者等再生が利用できると考えられます。)

 二つの手続が利用可能な方は以下の点につき検討する必要があります。
給与所得者等再生の再生計画は@、Aに加えB2年分の可処分所得の要件が必要になります。可処分所得の算出は政令で決まっていて、地方や、扶養家族が少ない場合、高額になってしまいます。また、小規模個人再生の場合のような上限(500万円)はありません。したがって、小規模個人再生の場合より返済額が多くなる可能性が高くなります。

 小規模個人再生では、財産がほとんどない場合の再生計画の返済額は、ほとんど@で決まりますが、再生計画に対しての反対票が、債権者数の1/2以上または、債権総額の1/2以上になった場合は認可されないということになっています。よって、反対する債権者が多くいそうな場合は要注意です。
以上のとおり、各手続でメリット・デメリットがありますので弁護士とよく相談してください。


再生計画(返済額)の算出

@最低弁済額
引き直し計算後の元金 最低弁済額
100万円未満 全額
100万円〜500万円未満 100万円
500万円〜1500万円未満 ←元金の20%
1500万円〜3000万円以下 300万円
3000万円〜5000万円以下 ←元金の10%

A清算価値保証   
 不動産の額(評価額−ローン残債額)・退職金の8分の1の額・保険の解約返戻金・預貯金・現金の合計額
再生計画では、破産した場合に債権者へ払われる額よりも、多くの額を債権者に支払わなければなりません。
簡単に言うとあなたの財産の合計金額以上は返済することになります。

注意・・・・退職金は仮に今退職すると支給される額で、実際に退職するわけではありません。  

B2年分の可処分所得
(収入から税金・社会保険料・政令で定められた生活費を控除した額)×2

前年度分の源泉徴収表と課税証明書があれば簡単に算出できます。


不動産を残す 住宅ローン特則

 本来、住宅ローンはその住宅に担保権が設定されているため、抵当権を持つ債権者は再生手続にかかわらず抵当権の実行が可能です。しかし、抵当権の実行がなされると住宅を手放さなければならないため再生計画は無意味なものとなってしまいます。

 よって、個人民事再生手続では「住宅資金貸付債権に関する特則」を利用することにより、住宅ローンの返済方法を変更し、あるいは従来のまま返済しながら住宅ローン以外の債務を整理しながら再生計画を可能にしました。(但し、返済方法の変更のみで減免(支払い総額は変わらない)はできません。)そして、この特則の決定事項(住宅貸付特別条項)の支払いを継続している限り、抵当権の実行はされず、住宅は確保できます。


住宅ローン特則が利用可能な住宅

   ・住宅の購入、建設、増改築の資金のための借入であること
   ・分割払いの定めがあること
   ・その債権又はその債権にかかる保証会社への求償権を担保する為、(根)抵当権が設定され
    ていること
    ※住宅資金貸付債権以外の(根)抵当権がついている不動産には適用できない。
  


住宅ローン特則が利用困難な住宅

   ・差し押さえを受けている
   ・住宅ローン以外の抵当権もしくは仮登記が設定されている
   ・根抵当権の設定がある
   ・住宅ローンを長期間滞納している
   ・保証会社が代位弁済後6ヶ月経過している・・・・・等 弁護士に確認して下さい。
●デメリット
 *債権調査・利息制限法引き直し計算・必要書類の収集・再生委員(弁護士)との打ち合わせ・
 *再生計画の立案等、複雑な処理が多く個人で行うのは非常に困難
 *手続期間が長期になる。原則的に手続に約半年、その後返済期間が3年かかる。
 *官報に公告される。

民事再生イメージフロー図 ●個人民事再生手続 フローチャート
 弁護士が貸金業者に対し受任通知を送付すると貸金業者は顧客に対し直接取立行為が禁じられているため、貸金業者の督促はSTOPします。受任通知は一日でも早く督促の煩わしさ解消のため、委任契約締結当日、金融業者へ送付します。

弁護士・・依頼者の申告と債権者から送られてきた債権調査表をもとに利息制限法引きないし計算をし、債務額を算出します。ここで、弁護士と依頼者とで債務整理の方針を検討します。
   債務額<100万円=任意整理 債務額の支払い困難=自己破産
依頼者・・弁護士の指示に従い、必要書類を集めていただきます。
依頼者の居住地を管轄する地方裁判所に申立をします。

 申立後約2〜3週間後に弁護士が同行して裁判所の再生審問、あるいは再生委員との面接を行います。どちらも弁護士が対応しますので、依頼者自身が答えることは余りありません。

 開始決定がなされると、その後の手続は決められたスケジュールに乗って進んでゆきます。また、地域によって異なりますが、3ヶ月〜6ヶ月の積立トレーニングを行う裁判所もあります。
積立トレーニング・・・返済計画が履行できるか否かを判断する。

 この間、弁護士から裁判所または再生委員に提出する書面の作成に関する必要書類を依頼者に求めます。

再生計画(返済額)を参照

      

 小規模個人再生には債権者による書面決議が必要ですが、不認可=破産となる可能性が大きいため同意しない債権者は実質0に近い。





 再生計画の決定が確定すると手続は終了します。
債権者送金先一覧表作成(振込先・住所・電話番号)
返済履行表作成

 手続の終了後は、裁判所の監督を受けることはありませんし、弁護士も一切監督しません。債務者は自分の力で再生計画を履行することになります。
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